管理会計の歴史
管理会計の歴史は、アメリカにおいて、綿工業と鉄道会社からはじまった。
そのころの紡績工場は、比較的単純な作業の繰り返しだったため、工場長が工場管理すべて行われ、簡単な総合原価計算が行われていた。
配当可能利益の計算のための財務計算である。
同時期に鉄道建設がはじまり、1850年ごろには距離500マイルの巨大鉄道会社が登場した。
鉄道会社は社債に依存した財務だあったため、社債利息のための財務計算ではあったが、鉄道原価計算が開発され、営業路線別業績、拡張路線の評価などに展開されていった。
このころアメリカでは、組織が強大化していき、巨大産業会社で会計システムが構築されていった。
1903年に設立された「デュポン火薬会社」では、製造会計システム、販売管理システム、勾配会計システムの3つのシステムと財務会計システムを統合したシステムが開発されていた。
もう企業活動も複雑化し、計算だけでなく経営が必要な時代になっている。
テイラー提唱の科学的管理法が普及し、作業分析⇒標準作業量の決定⇒標準原価の設定というプロセスの標準原価計算制度が登場した。
標準原価計算は、差異分析手法の発達と作業能率向上に貢献した。
これまでは、過去の計算が中心であったが、将来の企業活動を計画し、計画の実現に向けて企業活動を統制するための手段として予算システムが登場した。
予算システム、標準原価計算、変動費と固定費の原価分解にもとづく直接原価計算などが登場し、普及した管理会計のシステムが登場した時期である。
1929年の世界大恐慌をきっかけとして、現場に対して非人道的な管理者の不満などから、メイヨーによる人間と感情や心理の影響、動機づけの重要性が提唱されている。
新たな管理会計の技法が登場する。
・投下資本に対する最大利益を目指したROIによる体系的予算管理システム (モンサント化学会社)
・セグメント別直接原価計算(ハインツ食品会社)
・長期利益計画
・内部利益法、現在価値法などの投資経済計算技法の登場
既存の会計システムをベースとした複雑で精緻な計算を目指し、発展していった。
アメリカの製造業の低迷とともに管理会計として行き詰っている。
経営工学、オペレーションリサーチ(OR)などの経営学による意思決定モデルの研究もあるが、管理会計としては大きく進展がみられていない。
企業価値の創造経営から、また新たな会計技法が登場した。
経済的付加価値(EVA)=税引後営業利益−資本コスト
活動基準原価計算’ABCによる原価計算も登場した、さらなる精緻化、高度化の流れを進んでいる。
(潮清孝 アメーバ経営の管理会計システムより抜粋)
新しい管理会計(伝統的管理会計に対して)
伝統的管理会計にこだわらず、新しい管理会計を取り入れている企業も増えている。
この場合は経営者強いのリーダーシップがないと成功しない。
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